毎朝、駅の改札口の外で
左右に揺れながら
改札の中を見ている
おじさん
その視線は改札の奥
階段付近をみているような
無表情な遠い視線
ニット帽姿
かなり老けて見えるが
おそらく50歳前後
8時15分に到着する列車で
必ず会えるおじさん
この駅を利用するようになり
ほぼ毎日の朝の光景
しかし
11月のある日から
おじさんの姿はなくなった
あれっ? 今日はいないなと
次の日も
その次の日も
どうしたのだろう?
いつもの景色の一部が
抜け落ちたようで
来る日も来る日も
やがて
おじさんのいない改札が
日常になってきた
ところが
今週、改札口におじさんが
揺れていた
心なしか
少しやつれたような
そんな気がする
無くしたピースが埋まった
朝の景色
明日も揺れるおじさんに
会えるだろうか
おじさん
何を待っているのでしょうか?
今回はいつもと違うテイストで記事を書かせていただきました。