こんにちは、くろねこです。
緊急事態宣言 発出 前夜 の状況ですね。
決して強い身体ではないので感染予防を意識しつつ、年末は大人しくしようと思います。(12月もかなり忙しいので)
皆様もくれぐれも気をつけてください。
さて、今回はインフラの現場のお話しとして、ケーブルのタグに関するお話しです。
インフラ設備の現場
インフラ設備の現場とは、サーバルームや、MDF、EPSのたくさんのケーブルを想像してください。
光回線の引き込み工事をされてる方(立ち会いされてる方)はMDF/EPSの中を見たことあると思います。
その他にもサーバルームのラック周辺の電源ケーブルやLANケーブルが引き回されてる様を見たことあるのでは。
これらの各種ケーブルは基本的ひとつひとつが重要な役目を持っていて、万が一、ケーブルの抜けや断線は、大きなシステム障害に繋がります。
最近では、可用性の確保のため、一ヶ所の断線が大きな障害に至らないよう、電源の冗長可や通信経路の二重化など、さまざまな仕組みで障害回避を実施しています。
が!
その反面、機器と機器を接続するケーブル類はその分、増加し&複雑化します。
その結果、増えた配線はぐちゃぐちゃになって行きます。拡張→拡張→… となるとひどい状態になりますね。
結線作業
結線作業の主なものは、LANケーブルと電源ケーブルです。
LANケーブルは、サーバとスイッチングHUB間、電源ケーブルは、サーバとUPS(無停電電源装置)または電源コンセント間で、設置されている台数に応じて増えます。
特に、スイッチングHUB周辺はLANケーブルの山です。サーバルームですと、24ポートや48ポートのものを設置することが多いのでまさに山です。
ケーブルの行き先
ここで問題となるのは、それぞれのケーブルが、どこから来てどこに行ってるのか? です。
数本なら辿れは良いですが、10本を超えるとそうはいきません。それどころか、床下経由で別の場所に繋がってるケーブルはもう無理です!
そこで、そんな事しなくても良いように、各ケーブルに「印」を当然ですが付けます。
一般的には、低コストで分かりやすい(見やすい)もとのして、写真のタグに必要事項を記入して、ケーブルに結びつけます。
このタグは、秋葉原の愛三電機さんで購入したものです。
くろねこ自宅の自称サーバルームには、24ポートのスイッチングHUBを中心に、各マシンと住みか全体への配線で大量のLANケーブルに溢れてます。
タグの付け方
各ケーブルにタグをつけることは、おわかりになったと思いますが、そのタグに何を記載すれば良いのでしょうか?
くろねこは当然のように、
当たり前のように、これは全国共通の暗黙のルール と勝手に思ってました。
タグに記載する内容は、
・接続元(サーバ名など)
・接続先(HUB名+ポート番号など)
・ケーブル名
のいずれかです。もちろん、タグ付のケーブルで、タグ記載内容が重複することはありません。
このルールで、ずっとやっていました。
配線が増えたり減ったり変更されたりする場合はその場でタグを付け直すことはmustです。
これだけ徹底していても、重大なネットワークトラブル発生時には再度の配線の見直しをするほどです。
事件発生!
10年近く前のある日、問題が発生しました。
その日、部下に複数の新しい機材のラック搭載と配線を指示しました。
これらの作業は現場の安全(作業者の安全と、運用中機材への配慮など)のため、必ず、設置搭載図、配線図をみて、複数の作業員で確認しあいながら実施します。
この日の作業員は、Aさん、Bさん、Cさんで、Cさんは入社時からずっとインフラ畑を20年近くやって来たベテランで、くろねこチームに異動してきたばかりでした。
対するAさん、Bさんは、くろねこが新人から育てたメンバです。
くろねこはもともとプログラマからSEをやり、その後、インフラの世界にやってきました。
Aさん「くろねこさん、タグの件で問題発生です!」
くろねこ「?」(そんなところで問題なんて・・・)
Aさん「Cさんが、変なタグ付けしてます!」
くろねこ「は??」
このあと、Aさんがいろいろ説明しましたが理解できないくろねこ。
結局、埒が明かず
Aさん「くろねこさん見てください!」
ということでサーバルームへ
指示内容は、下記の通り(簡単にした例です)
配線方法は下記の通り。
① SW-HUB port4 ← → Server01
② SW-HUB port12 ← → Server02
③ SW-HUB port1 ← → Router01 LAN01
Cさんが用意したタグ付きケーブルは下記です。
①のケーブル
SW-HUB側のタグ : Server01
Server01側のタグ : SW-HUB port4
②のケーブル
SW-HUB側のタグ : Server02
Server01側のタグ : SW-HUB port12
③のケーブル
SW-HUB側のタグ : Router01 LAN01
Server01側のタグ : SW-HUB port1
要するに、ケーブルの行き先がタグに書いてある状態です。
しばらくフリーズしたのち、「こういう付け方もあるにはある」と妙に納得しました。
くろねこの頭にはこんな発想、まったくありませんでした。
くろねこルールの場合は下記のようになります。
①のケーブル
SW-HUB側のタグ : Server01
Server01側のタグ : Server01
②のケーブル
SW-HUB側のタグ : Server02
Server01側のタグ : Server02
③のケーブル
SW-HUB側のタグ : Router01 LAN01
Server01側のタグ : Router01 LAN01
このサーバルームの管理はくろねこがやっており、すべての配線は、「くろねこルール」です。Cさんルールのケーブルとの混在は当然ながらNGです。
良くも悪くも統一されたルールのもとに成り立つものです。
というわけで、Cさん作成ケーブルは、くろねこルール版に作成しなおし、作業を終了させましたが、もやもやしてます。
(Cさんは納得してない模様です。)
どちらが良いのか?
Cさんルールも決して間違いではありません。
むしろ、ケーブルの片側だけで、どことどこを接続しているのかがわかるので良いのかもしれません。
このルールでは、接続先が変更された場合のメンテナンスが細かく発生します。
くろねこルールは、すごく単純で、「ケーブルの名前」と考えてよい方法です。両側をみないと、どことどこが接続されているのかがわかりません。
そういう意味ではCさんルールよりはレベル低いのかもしれませんが、感覚的にケーブルを辿る際に同じ名称で探してしまうのには向いてる感じです。
くろねこの発想にCさんルールは無かったので、どうしても違和感を感じてしまいます・・・ う~ん
このタグ付けルールについて、皆さんはどうなのか、ご意見等いただければと思います。
ちなみに、この事件のあと、くろねこの友人(いずれも開発系や開発出身のインフラ屋さん)にタグの付け方を聞いてみましたが、100%くろねこルールでした。(10人くらい聞いたかな)
編集後記
先日、5月に始まった大きなプロジェクトが終了しました。
コロナの影響で様々な情報が混乱し、なかなか予定通りにならず、暫定環境を急遽作成したり、提供業者さんと工事業者さんの再調整など、気が休まらない日々の連続でした。
工事は遅れに遅れ、けれど工事終了予定日は変わらずという状況です。その遅れの影響で、予定日に間に合わない状況に陥り、本当につらかったです。
まあ、思いつめても仕方ないので、「待ち」状態では極力プライベートを楽しむということで精神のバランスをとってました。このブログもその一つです。
さて「やっと終わった!」と行きたいところですが、次々と仕事が押し寄せてきており、おまけに身体はヤバい状態!
12月は休日出勤と病院でハードになりそうです。
○| ̄|_